子供のアトピーを悪化させないために親がやるべきこと|原因と対策をすべて公開


子供のアトピー
湯田貴江 医師

小児科医

湯田貴江 先生 監修

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BoDiSIL編集部

子どものアトピーに悩んではいませんか?

子どもの肌がガサガサしてしまったり、かゆくて泣いていたりする姿を見ると何とかしてあげたくなりますよね。

1度炎症が起こってしまうと、すぐには快方に向かわず、その間に掻いてしまい、症状がさらに悪化してしまう。

という負のループに陥ってしまうこともあります。

しかし、そんな治療が難しいとされるアトピーの対策には決して外してはいけないポイントがあるのです。

この記事では、小児科医の湯田先生監修のもと、子供のアトピーを悪化させないために親がやるべき対策徹底解説していきます。

是非参考にしてみて下さいね。

監修ドクター

湯田 貴江医師

湯田 貴江 ゆだ たかえ


専門:小児科専門医
所属学会:日本小児科学会、日本アレルギー学会所属
経歴:平成21年3月 東邦大学医学部卒
   平成21年4月 自治医科大学附属病院 初期研修
   平成23年4月 自治医科大学附属病院 小児科入局
   平成27年4月 同愛記念病院 小児科勤務

子どものアトピーで悩んでいる人はあなただけではない


このように子どものアトピーに対して悩む人の声は多く見られます。

アトピーの本当の意味

アトピーとは

アトピー=肌の病気

と思っている方が多いのですが、実はそうではありません。

アトピーとは、アレルギー性の喘息やじんましん、皮膚炎などを発症しやすい「体質」のことを指します。

そして、このアトピーが原因となって皮膚に湿疹が出てきてしまう状態のことを、アトピー性皮膚炎と言うのです。

一般的にアトピーと言えば皮膚に湿疹が出来ている状態が多いので、アトピー性皮膚炎をアトピーと略していうのですね。

アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う湿疹が出るのが主症状ですが、症状は酷くなったり回復したりを繰り返していくことで知られる皮膚の病気となります。

アトピーで起こる湿疹には、

  • 赤みがあり、中の方がじゅくじゅくとした液体を含む湿疹である。
  • 左右対称に湿疹ができやすい。
  • 目の周りや口の周りといった顔の中でも柔らかいところにできやすい。
などといった特徴があります。

子供のアトピー、なぜ起こるのか!?

アトピーが起こる原因としては次のようなものが挙げられます。

1.免疫学的機能異常
アトピーは「アレルギー疾患」に区分されます。

つまり、免疫機能が正常ではない働きをしているということになります。

免疫機能の異常の多くは、虚弱体質であることも指摘されています。

2.皮膚のバリヤー機能異常

皮膚のバリヤー機能が低下している状態が続くと、アレルゲン物質が入りやすくなり、皮膚がアレルギー反応を起こします。

この場合は、保湿不足など生活環境による影響も多いと言われています。

3.疲れやストレス
疲労が蓄積していて、心や体がストレス状態に置かれていると体調が悪化していきアトピーも酷くなることが分かっています。
4.生活環境因子
汗、紫外線やハウスダスト、多湿などあらゆる環境の変化が症状を引き起こす要因となります。
5.食事環境
加工食品や化学調味料、農薬など、体に負担となり得るものは避け、アレルギーを引き起こしにくい食事内容へと変えていくことが求められてきます。

アトピーの起こりやすい体質は?

アトピーを持つ人は次のような背景を抱えている人が多いとされています。

  • 近親者にアトピーを持つ人や、アレルギー性鼻炎や喘息といったアレルギー疾患を持っている人がいる
  • 生まれつき皮膚が弱いことが多く、かゆみのある発疹がよく出る
  • 血液検査でアレルギー検査をすると、いろいろな物質に陽性が出る

これらの条件に当てはまると、アトピーが起こる可能性が出てきます。

アトピー性皮膚炎の年齢による症状の変遷

アトピーは年齢によって症状が変化していくことでも知られています。

  • 乳幼児期
    症状は主に顔や頭に現れ、中からじくじくと液が出てくるようなかゆみの強い湿疹ができやすいです。
  • 小児期
    症状は顔付近に加えて、首やひじ・ひざなど柔らかい部分にも広がってきます。

    アトピーによって耳が切れる「耳切れ」といった現象も起こります。

    皮膚の状態はじゅくじゅくした水っぽい状態から、乾燥して皮がむけるようなカサカサとした状態へと変わっていきます。

  • 成人期
    症状は場所を問わず広範囲に出現します。

    皮膚は症状を繰り返すうちに硬く厚みを帯びてきます。

    また、長期間湿疹が続くと、湿疹ができやすいところが赤く色素沈着をしていくこともあります。

このように症状の変化は大きく3段階に分かれていますが、一般的には大人になるにつれ、症状は緩和していくことが多いです。

子供のアトピー性皮膚炎は治るの?

アトピー

アトピー性皮膚炎は成長と共に自然に快方へと向かっていくこともあります。

ただ、何もせずに自然快方していくことは少なく、肌のケアや医療のサポートを受けてアトピーと向き合っていくことによって、次第に症状が緩和されていき、軽症で済むようになったり、治癒していきます。

決して治ることのない難病というわけではないので、適切にケアをしていくことが大切となります。

子供のアトピーを改善するために外してはいけないポイントとは?

アトピーを改善していく方法のポイントは以下のようなことが挙げられます。

  • 保湿をこまめに行う
  • ダニやほこりを意識して掃除を行う
  • ターンオーバーを促す
  • ステロイド治療
  • 化学調味料や保存料、農薬を避ける
  • 規則正しい生活を送る

アトピーの治療としては、ステロイド剤が有名ですが同時にステロイド剤は怖いというイメージも持ってはいませんか?

しかし、ステロイドは正しく使用すればそれほど恐れる必要はありません。

まずは、アトピー性皮膚炎に有効とされるステロイド剤について正しい知識を得ましょう。

ステロイド剤って?

ステロイド

ステロイド剤は局所的なアレルギー反応を抑え込む薬となります。

ステロイド剤は5段階の強さに分かれていて(ウィーク→マイルド→ストロング→ベリーストロング→ストロンゲスト)、症状や使用する部位によって使い分けていきます。

ステロイド剤を使用すると体が成分を吸収していくのですが、当然ながら強い段階のステロイド剤を使用するほど副作用が出る確率は上がっていきます。

また、顔は吸収率が高くなるので、他の使用部位と比べて弱い段階のステロイド剤を使用するなどしていかなければなりません。

更に、年齢が低い子どもだと皮膚が薄いため、ステロイド剤の吸収率が良く、こちらも弱い段階のものを選択するようにしていきます。

アトピーに使われるステロイド剤一覧

弱い >>>>>>>>>> 強い
ウィークマイルドストロングベリーストロングストロンゲスト
プレドニゾロンデキサメタゾンアロミドンリンデロンDPジフラゾン酢酸エステル
テラ・コートリルデキサメサゾンデルモランFマイザーカイノチーム
オイラゾンベクラシントプシムアナミドール
ビトラルリクールVGネリゾナクロベタゾールプロピオン酸エステル
タルメアベトノバールGテクスメテンマハディ
パルデスデルモゾールGビスダームマイアロン
クロベタポロンデキサンVGパンデルデルトピカ
クロベタゾン酪酸エステルメインベートアンテベートデルスパート
キンダロンプロメタゾンフルメタソルベガ
キングローンデルムサットダイプロセルグリジール
アボコートエクラーディーピーポロンダイアコート
ノギロンフルコートFデルモゾールDPジフラール
トリシノロンフルコートヒズボットデルモベート
ユーメトンボアラハーユロン
プレドニドロン吉草酸エステル酢酸エステルザルックスイトロン
スピラゾンリンデロン-VGアルゾナ
グリメサゾンリンデロン-Vフルオシノニド
アルメタベトネベートNソルニム
キンダベートベトネベートシマロン
ロコイドメサデルムグリコベース
レダコートスチブロン
リドメックスジフルプレドナート
サイベース
ベタメタゾンジプロピオン酸エステル
引用元:くすりの上田

ステロイド剤には副作用はある?

さて、ステロイド剤が怖いとされる所以は副作用ではないでしょうか。

ステロイド剤はアレルギーを強力に抑え込む反面、注意しなければならない副作用もあります。

よく言われるのが長期間ステロイド剤を使用すると、皮膚細胞の増殖も抑えられるため、皮膚が薄くなってしまうことです。

他にも皮膚の免疫機能がうまく働かくなり傷が治りにくくなることもあります。

ですが、安心してください。

ステロイド剤を使用したら必ずそうなってしまうわけではありません。

安全とされる使用量が日本皮膚科学会によって決められていて、医師の指導をきちんと守るようにしていけば、まず安全と考えてよいでしょう。

子供のアトピーを悪化させないために行うべき具体的な解決策

では、続いて前の項目で挙げた改善方法のポイントについて1つ1つ解説していきます。

保湿をこまめに行う

ワセリン

前の項目で、アトピーの治療にはステロイド剤が有効であることをお伝えしましたが、ステロイド剤の使用に加えて、保湿をしっかりと行うスキンケアの徹底が欠かせないポイントです。

皮膚が乾燥して肌のバリア機能が弱くなるとかゆみが出てきてしまうので、こまめに保湿を行っていきましょう。

また、乳児の時期からきちんと保湿をしていくことで、アトピー性皮膚炎の発症を減らすことができる可能性もあります。

アトピーの保湿対策としてよく病院で処方されるのは、次のような薬です。

  • ワセリン
  • 水分を肌に閉じ込める効果があるのでしっかりと潤いを保つことができます。

  • ヒルドイド
  • ヘパリン類似物質を主原料とした薬です。こちらも保湿効果に優れています。

保湿力のあるワセリンと、テクスチャーが柔らかく伸びやすいヒルドイドを組み合わせて処方されることも多いです。

使い方は、肌の乾燥があるうちは、しつこいくらい重ね塗りをするなど、しっかりと塗っていきましょう。

大体2週間から1ヶ月程、しっかりと保湿をしていけば、徐々に肌の保湿力が上がっていくのが実感できるはずです。

炎症がひどいときはステロイド剤を併用しましょう。

ダニやほこりを意識して掃除を行う

掃除機

寝具にダニがついていたり、部屋にホコリが舞っているとアレルギー反応を起こしてかゆみや湿疹が出やすくなります。

その為、こまめに窓を開けて部屋を換気し、空気を入れ替えることが大切です。

寝具は干すよりも、掃除機で吸引するのがオススメのお手入れ方法です。

干すだけでは、ダニは死滅せず、布団の奥の方へと移動するだけなのです。

ですが、掃除機でも全てのダニを取り除けるわけではないので、定期的に丸洗いするようにしましょう。

下記のようなダニ除けシートやダニ除けスプレーなども効果的です。

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化学調味料や保存料を避ける

スナック

食事の内容もアトピーの発症と関係がある可能性があるとされています。

化学調味料や保存料が含まれているファーストフードやインスタント食品、お菓子などは、避けるようにするといいかもしれません。

なるべくこういった添加物の多い加工食品には頼らず、安全で安心して食べられる食事を心がけていきたいものです。

薄味の和食を中心としていくのが、やはり日本人の体に合っているため、負担も少ないということです。

また、積極的に摂取していきたいのは、腸内環境をよくするヨーグルト無農薬で新鮮な野菜や果物から摂れる良質なビタミンとミネラルの補給です。

腸内環境を整えて、免疫が正常に働くようにすることが子どものアトピー改善へと繋がっていきます。

ステロイド治療

ステロイド剤はやっぱり不安だから使用したくないと思う方もいるかもしれません。

ですが、アトピーの治療にステロイド剤は必要な薬です。

炎症を抑えるということに関しては、やはりステロイド剤が1番近道で有効なのです。

  • 炎症が起きているときはステロイド剤を使い、しっかり保湿を行う。
  • 落ち着いたら保湿のみで様子を見る

このように上手に使い分けてステロイド剤ともアトピーともつきあっていくのが良いでしょう。

ターンオーバーを促す

新陳代謝

ターンオーバーとは肌の生まれ変わり、新陳代謝のことです。

アトピーが起きている時は、皮膚の新陳代謝がうまくいかなくなります。

この皮膚の新陳代謝の異常がまたアトピーを治りにくくしている場合もあるのです。

その為、皮膚の新陳代謝を正常化へと向けていき、肌に溜まった老廃物を排出していくようにすることがアトピー改善へと繋がっていきます。

では、どのようにしたらいいのかというと、子どもの場合で簡単に皮膚代謝を上げる方法はしっかりとお湯に浸かることです。

湯船に浸かり、血行を良くすることで皮膚の新陳代謝を良くすることができます。

お風呂は塩素を取り除くタブレットを使用することをオススメします。
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規則正しい生活を送る

規則正しい生活

夜ふかしはアトピー性皮膚炎治療の大敵です。

なぜなら肌のターンオーバーを促すには睡眠が最も重要だからです。

また、成長ホルモンが最も分泌される22時~2時肌のゴールデンタイムといいます。

成長ホルモンは肌の弾力やハリに大きく影響してくるので、21時には布団に入り、22時には熟睡した状態にするようにしておきましょう。

早寝早起きをし、適度な運動を心がけ、規則正しい生活を送れるように気をつけてあげましょう。

まとめ

子どものアトピー性皮膚炎が起こる原因と、対策についてまとめてきました。

アトピーによる肌の炎症を鎮めるためにはやはり、ステロイド剤が有効です。

ステロイド剤は怖いという先行イメージがありますが、決してそういうわけではなく、正しく使用すれば治療への早道となります。

それに加えてワセリンやヘパリン類似物質での保湿や、生活習慣の改善などが必要となるので、保湿ステロイドを活用しながらうまくつきあっていくのがオススメです。

BoDiSIL編集部

本記事のポイント
  • アトピー性皮膚炎は大人になっていけば徐々に改善していくことが多い。
  • アトピーを悪化させないためには、

  • 保湿をこまめに行う
  • ステロイドをうまく活用していく
  • ダニやほこりを意識して掃除を行う
  • ターンオーバーを促すために皮膚を清潔に保つ
  • 化学調味料や保存料を避ける
  • 成長ホルモンが最も分泌される22時には熟睡できるように心がける